妙亀塚


この地はかつて浅茅ヶ原と呼ばれた原野で、近くを奥州街道が通じていて、妙亀塚は、「梅若伝説」にちなんだ名勝です。「梅若伝説」とは平安時代、吉田小将惟房の子梅若が、信夫藤太という人買にさらわれ、奥州に連れて行かれる途中で、重い病にかかり、この地にすてられ世を去りました。我が子を探し求めて、この地まで来た母親は、隅田川岸で里人から梅若の死を知らされ、髪をおろして妙亀尼と称し庵をむすんだという説話です。お能「隅田川」はこの伝説をもと創作されています。隅田川の対岸、木母寺(墨田区堤通)境内には、梅若に因む梅若塚(都旧跡)があり、この妙亀塚と相対するものと考えられています


東京都台東区橋場1-28